グリーン● 配位高分子の結晶構造変化を利用するレアアース分離法の開発● 核酸(DNA, RNA)を用いる配位高分子の合成と機能性開拓● 氷表面への物質吸着機構の解明100【最近の研究テーマ】産業界へのアピールポイント実用化例?応用事例?活用例半田 友衣子(ハンダ ユイコ) 准教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域1 段階の操作で Dy3+ のみが沈殿有機配位子濃度に対する Nd3+ と Dy3+の沈殿率の変化キーワード ネオジム ジスプロシウム 分離 低環境負荷 配位高分子● 特許取得済み(「配位高分子化を利用するレアメタルの水系分別沈殿法」特許第 6411199 号)● 新規有機配位子の設計と合成が可能なら、さらなる分離効率化が可能● 有機溶媒を使用しないレアアース相互分離ジスプロシウム(Dy)を含むネオジム(Nd)磁石は、モーター等の省エネルギー化を可能にする高性能磁石です。今後の国内自給率増加に向けて、使用済み製品などから Nd と Dy をリサイクルする必要性が増す中、磁石中成分をいかに高効率に分離するかが重要です。従来の分離法である溶媒抽出法では大量の有機溶媒を利用する問題点があります。水のみを溶媒として Nd と Dy を高効率に相互分離?回収することができれば、低環境負荷という点で従来法より優れた分離法となり得ます。本研究では、配位高分子化反応を利用することで、溶媒として水のみを利用して、Nd と Dy を 1ステップで沈殿分離できることを見出しました。これまでは無機塩生成が利用されてきた沈殿分離に、有機配位子を用いる配位高分子生成をはじめて取り入れることにより、Nd と Dy の分離効率を向上できることを実証した研究です。有機溶媒を使用しないでワンステップでネオジムとジスプロシウムを分離する
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